from 野村尚義

当社のロジカル・プレゼンテーション研修では、ディベートをあつかいます。

プレゼンテーションをするだけでなく、相手側の話をしっかり聞きとり、そのなかから論理の構造を抽出し、穴や矛盾を見つけ出す訓練になります。

ディベートをおこなう受講者さんも楽しそうです。でも、もっと楽しいのは、ディベートでの対決を分析するオブザーバーの立場。

ディベートのやりとりを分析する

Debate私の仕事はプレゼンテーション・アドバイザーですから、人のプレゼン分析は日常的におこなっています。このサイトでも多数のプレゼン・スピーチ分析をしてきたとおりです。

慣れているせいもあって、この分析作業はやっていても、それほどドップリは疲れません。120分くらいはノンストップで続けられます。

でも、ディベート分析は、本当に大変。楽しいけど、大変。30分でヘバってしまいそうです。

理由は、観察するべきファクターが多くなるから。肯定側と否定側の、両発表者について、それぞれのインプット→解釈→思考→アウトプットの流れをチェックするわけですから。

でもね、このインプットから始まりアウトプットにいたるプロセスを細かくチェックしていくと、発表者がどのような思考でその発言に達するのかがよく見えます。ここが面白い。

プロセス全体を観察すると見えてくる

ふつう、誰かの発言が面白かったとして、なぜそういう面白発言ができるのかはわからない。なぜなら、発言以前のプロセスが全てブラックボックスだから。

たとえば、岡本太郎氏の「芸術は爆発だ!」というセリフがあります。このセリフ、どこから思いつくのか、ふつうは読みとけない。彼の生い立ち・経歴でも詳しく調べでもしない限りは。

でも、ディベートだと読み解ける可能性がある。その人が得ている情報インプットを、その場で見ているから。

確かに、本人の頭の中は覗けません。でも、インプットとアウトプットの両方が見えれば、そのビフォー/アフターの変化をおこす処理が何なのか、想像しやすくなる。

メッセージの産まれるプロセス

あなたの周りのアイデアマンに尋ねよう

あなたの周りにも、アイデアマンがいるかもしれません。

そしてその人に、こんな風に尋ねたことがあるかもしれません。
「どうやって、そんなアイデア思いつくの?」

その質問も大切ですが、もう一つ質問してみるのはいかがでしょう?

「それを思いつく前に、どんな情報に触れていた?」
「普段、どんな本とか読んでるの?」

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