デリバリー8つの要素。レッスン6はボディ・ランゲージ。
これについては、少し長くなりそうです。何度かに分けて、お伝えしていきますね。
~目次~
■ボディランゲージで、余裕が伝わる
一言でいえば、避けたいのはガチガチのプレゼン。
たとえば緊張が過ぎてガッチガチになっている人って、どんな姿で話していそうですか?
おそらくイメージしたのはこんな感じでは?
直立不動。
身体が固まってしまい、微動だにしない。
「わたし、余裕ないです!」
と身体じゅうで主張していそうです。
緊張して余裕がないから、”直立不動で微動だにしない”という状態になってしまう。
でも逆にいうと、“直立不動で微動だにしない”という状態は、緊張して余裕ない話し手を連想させてしまいます。
あなたが聴き手ならば、どうでしょう?
「もう、あっぷあっぷなんです…」と言わんばかりの、余裕がない話し手の提案を選びたいですか?
それとも、「どうぞ、私にまかせておいてください」と、余裕と自信を感じさせる話し手を選びたい?
通常は、後者でしょう。
必ずしも緊張がすべて良くないとは私は思っていないのですが、それはまた別の話。
いずれどこかで詳しくお伝えできると思います。
でも、余裕があって自信があるように見せたいというのが、多くの方の思いでしょう。
そして、それを伝えるのに効果的なのが、ボディ・ランゲージなのです。
■バラク・オバマの余裕と自信を感じさせるスピーチ
一例をあげましょう。
2004年のバラク・オバマのスピーチ。
「大いなる希望」と名付けられた演説は、オバマを一躍有名人にしました。
このスピーチについては、今後何度も紹介すると思います。
それくらい、様々な観点から分析する価値のある演説だからです。
ただ今回は、ボディ・ランゲージという1点にしぼって見ていきましょう。
手振りが自然ですよね。
右手の手の平を聴衆に向ける仕草。
両手を軽く差し出すような仕草…etc。
とても、余裕と自信があるように見えませんか?
もし、この映像に手振りが全くなかったらと想像してみてください。
違って見えるはずです。
■動くと熱意にも見える
もうひとつ伝わりやすいのが熱意です。
こちらの映像、少しご覧になってください。
【松岡修造の有名なシーンを集めてみた】
熱意の塊という言葉が似合います。
なぜそう思うのか?
もちろん、語っている言葉の中身も、声のハリもその一因です。
しかし、映像のボリュームをゼロにして見ても、それでも情熱的に見えるのでは?
つまり、熱意はノンバーバル(ビジュアル)でつくれるということ。
ここでは、ボディ・ランゲージと、表情です。
もしあなたが、想いを持って語っているのならば、ボディ・ランゲージでその想いの強さを表現するべきです。
■ボディランゲージで、聴き手のイメージ力を刺激する
ここまで、余裕と自信と熱意が伝わるという話をしました。
しかし、ボディランゲージで伝わるのは、余裕・自信・熱意といった雰囲気だけではないのです。
もうひとつ伝わるのは、内容そのもの。
メッセージそのものです。
たとえば、以下のイラストを見て、何と言っているか当ててください。
A:ポイントは、3つです。
B:ポイントは、1つです。
…はい、3つですね。
では、もうひとつ。
A:私の出番です。
B:あなたの出番です。
はい、「私の出番」です。
最後に、もうひとつ。
A:業績は、アップしています。
B:業績は、ダウンしています。
はい、アップです。
■口にしなくてもわかることがノンバーバル情報
おそらく、どの問題も当たったのではないでしょうか。
このように、ビジュアル情報から、言葉にしなくても伝わる。
これが、ボディランゲージのもうひとつの意味です。
前回のメルマガで伝えたのは、あくまで雰囲気が伝わるという話。
一方、今回お伝えしているのは、メッセージが伝わるという話です。
ここまで聞いて、思いませんか?
「いや、口で伝えたらいいじゃないですか」
たしかに、言葉でも伝えているのです。
では、何のためのボディランゲージでもそれを伝えるのか?
一言でいうならば、よりイメージしやすくするためです。
聴き手にしてみれば、話し手の話を聴く時間は集中力が必要とされます。
相手のペースで続く話を、咀嚼し、理解し、自分にあてはめて考える。
そしてその間も、ずっと情報は語られ続ける。
どうしても、聞き逃しそうな気はしませんか? はい、聞き逃します。
私はプレゼンのご指導で、毎回言うことがあります。
「聴衆は、必ず聞き逃します。それは、宿命です。
だから、多少聞き逃されても大丈夫なように、話し手が工夫してあげる必要があります」
重要な言葉を繰り返すのもそう。
予告の言葉で、印象付けるのもそう。
強調を駆使しながら話すのもそう。
そして、ボディランゲージで伝えることも、その工夫の一つなのです。
■具体的にどんなボディランゲージを付けるか?
なるほど、その重要性はわかった。
じゃあ、具体的にどのようにボディランゲージをつけるとよいでしょうか?
今回は、3つだけご紹介します。
・ナンバリング
・指し示し
・概念のビジュアル化
ナンバリングとは「ポイントは3つです」のように、数字を指であらわす。
指し示しとは、自分の聴衆、あとはスライドなどを手のひらで”指し示し”ながら語る。
概念のビジュアル化とは、グラフを手で表したり、大きいを腕の開きで表したり。
つまり、写真で見せた3つです。概念のビジュアル化は伝える内容で、バリエーション多いですが。
・・・説明しなくても、さすがにわかりますね(笑)
このあたりを駆使すると、話がイメージしやすくなるのはもちろん、動きにバリエーションも出ます。