■話のスピードが話し手の印象を決める
魅力的な話し方のための8つの要素。
声の大きさ・スピード・強調・間・姿勢・ボディランゲージ・表情・アイコンタクトでした。
今日はレッスン2、話すスピードについて。
スピードは、聴き手の理解度にも影響を与えるといえば、与えます。
ただ、よほど早すぎるか、よほど遅すぎるかしなければ、理解できないほどにはなりません。
普通に話していれば、その枠内から外れることはないでしょう。
では、なぜ話のスピードについて扱うのか?
一言でいえば、スピードは話し手の印象を大きく変化させます。
■早口な人の印象・ゆっくりな人の印象
だいたい想像つくと思うのですが…。
ゆっくり話す人って、どんな印象に見えると思いますか?
そう、落ち着いて見えますね。
逆にいうと、早く話す人は、落ち着いては見えにくい。
“落ち着き”という意味でいうと、ゆっくり話すことに分があります。
では、ゆっくり話すことが誰にとっても良いかというと、そうではありません。
早めの口調で話した方が、“元気”とか“頭の回転が速そう”というイメージはつきやすい。
早口のプレゼンターから、例示しましょう。
落ち着きはなさそうだけれども、元気な方の典型例。明石家さんまさん。
やや神経質そうに見えるけども、頭の回転速そうな方の典型例。古館伊知郎さん。
私はそんな印象を持っていますが、あなたは違う印象でしょうか?
逆に、ゆっくり話すプレゼンターの代表は?私の持つ印象だけで話しますね。
“元気”が一番似合うことはないけども、落ち着いている方の代表例。池上彰さん。
頭の回転が速そうかと言われると…だけども、何があっても動じなさそうな人。三瓶さん。
大体、あなたの持つイメージとも会いますでしょうか?
一応、野村が話しているものも紹介しておきます。
■プロはスピードを使い分ける
いかがでしょう?
あなたには、早口なのとゆっくりなのではどちらが向いていそうでしょうか?
基本、ベースのスピードは決めていただいたほうが良いです。
ただ、常にそのスピードを守らないといけないという決まりはありません。
むしろ、プロはひとつのプレゼンテーションのなかでも、スピードに変化を持たせます。
前半はゆっくりと落ち着いてスタートし、聴衆を巻き込んだところでペースアップする。
グーッと引っぱり上げて、ペースを最高潮に持っていったと思いきや、
しんみり聞かせたいときにはゆっくり口調に戻す。
例えるならば、一曲の歌に、イントロ・サビでリズムに違いを持たせるようなものです。
私の好きな曲を一曲載せておきます。
Mr.Children 名もなき詩(ハイスピードは4:14から)
■うまい話し手を真似てみよう
私が大学生のころ、警部補古畑任三郎という刑事ものミステリードラマが流行りました。
これにどっぷりハマりまして、古畑任三郎のモノマネを練習していたことがあります。
ご存じな方も多いと思うのですが、古畑は基本ゆっくりとした口調で話します。
ところが、推理を語り始めると、犯人を追いつめるようにまくし立て始めます。ペースアップです。
この変化が視聴者の興味を掴んで離さないのです。
私は、古畑のモノマネのなかで、スピードの変化を学んだ気がしてなりません。
あなたも、お気に入りのキャラクターのモノマネから練習してみてはいかがでしょう?