from 野村尚義

yes or no職業がら、人にアドバイスをする機会は多くあります。

主に、プレゼンテーションの指導講義・レクチャーもあれば、直接マンツーマンでのフィードバックのこともあります。そこで面白いのは、私の伝え方・アドバイスのしかたは一緒でも、反応は人によって違うこと。 

すんなり受け入れて自分の力に変える人。
なんだかんだと理由を付けて、拒絶する人。

たとえば、ひとつのセミナーでも、「目からウロコ」と喜んでくれる方もいれば、「既に知っているよ」という方もいる。

私から見て、プレゼンの知識レベルは同じような方なのに、反応の差は歴然。

学ぶスピードになぜ差が出る

この違いは、何なんだろう?

まず、私の伝え方にまだまだ未熟な部分があるのは前提。そこへの精進は私の仕事です。でも、それだけか?きっとそうではない。

伝える側は、伝え方を磨く必要があるし、受け取る側は受け取る力を磨く必要がある。相手のせいにするのは、マナー違反です。

両方大事という前提のもとに、今回は受け取る側にフォーカスを当てて考えてみます。

器の大きさが、需要と拒絶を分ける

人からのアドバイスを、スムーズに受け入れられるかどうかは、受け手の器の大きさだ思います。

その人の器にどれくらいのスペースが空いているかで、受け入れ力に差が出る。いままでの人生で、既に器には“経験という水”が入っているわけです。

それで器がいっぱいいっぱいの人は、アドバイスが入るスペースがない。器が大きくてスペースが空いているひとは、そこに注ぎ込まれていく。

「過去の経験を水、受容量を器」と考えれば、色々と説明がつきます。小さい子供は、なんにでも興味を持つ。それは、器に何も入っていないから、それを満たしたくて仕方がないから。

一方、経験を積めば積むほど、人の話を聞かない頑固になっていく人がいる。それは小さな器が、満杯になってしまったということ。

器が満ちていることよりも、器そのものの大きさに目を向ける

さらにその一方、経験はものすごいのに、人からのアドバイスに素直に耳を傾ける人がいる。それは、経験が少ないのではなく、それ以上に器が大きいということ。

プレゼンのトレーニングでいえば、上場企業の経営者や幹部の方が、若輩者の私の言葉を真剣に聞いて下さる。そういう方と接していると、”実るほど、頭を垂れる稲穂かな”という言葉を思い出さずにはいられません。

拒絶する人は「俺の器に経験が満ちていないとでもいいたいのか?!十分入っているぞ」と、満ちている量に目を向ける。受け入れる人は「私の器は、もっともっと受け入れる余裕があります」と、器のサイズに目を向ける。

そして、今以上に器を大きくしようとする。

では、自分はどうする?

そんなわけで、私はアドバイスを受け入れ、活かす力を持っているひとを無条件で尊敬します。

ちなみに、私が思う”器が大きすぎて、がんがんスペースに入る人No.1″は小川晋平さん。ここしばらく仲よくしてもらっている起業家ですが、ハンパありません。だから、こういう発想ができるんでしょう。

ふと振り返って、自分はどうだろうか?反省することは多分にある。

こういう記事を書いたことで、自分のなかで器へのフォーカスが高まりそうです。

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