from 野村尚義

■あなたのプレゼンにはマーカーで線が引かれていますか?

デリバリー編、今日はレッスン3。強調について。

あなたは「きちんと言葉にして伝えたのに、まるで伝わっていない」という経験はありませんか?

ソフトバンクの堺雅人のCM「まるで、No1じゃないみたいじゃないか!」といった感じ(笑)

言葉にしているのに伝わらないのは、印象に残らないからです。言葉が埋もれてしまっているのです。

 

ところで、あなたは学生のころ、参考書にマーカーペンで線を引く派でしたか?

私は蛍光ペンを片手に、せっせと重要箇所を黄色く塗っていました。

ただ、そこで欲張りな私は、あまりマーカーの使い方がうまくなかったのです。

 

ついマーカーを塗りすぎてしまう。
ふと気づけば、参考書がまっ黄色に…。

マーカーの箇所は、目立たなければ意味がないのに、むしろ白い部分が目立つ結果に(笑)

この話、強調のスキルと非常に関わり深いのです。

■強調の使い方

そもそも、マーカーで線を引くということは、文章を強調することに他なりません。

それをプレゼンでおこなうためには、声を大きく・ゆっくり話すわけですね。

それによって、言葉が埋もれてしまうのを防ぐ。

そして、強調がうまくいかせるための方法は、マーカーで考えるとわかりやすい。

 

逆に、失敗パターンでお話ししましょう。

失敗1:強調しすぎ(マーカー線引き過ぎ)
強調箇所が多すぎて、それが目立たなくなってしまう。学生時代の私のパターンです。

失敗2:強調少なすぎ(マーカー線なし)
強調するくらい重要な箇所なのに、強調ができておらず、その箇所が埋もれる。

失敗3:強調箇所がズレている(変な箇所にマーカー)
そんなに重要でない箇所に強調が来ていて、聴き手として意味がわからない。

失敗4:強調が弱い(マーカー線がうすい)
強調というほど強くなく、強調していない箇所とそれほど変わらず目立たない。

 

上記のようにならないように、適度に適切に強調して話してみましょう。

うまく使えれば、印象に残したい箇所を聴き手の覚えてもらいやすくなります。

■話に強調・変化を加えるための典型的5パターン

さらに、上級編としての強調。
重要部分を伝えるだけならば、シンプル。

しかしそこに留まらず、話を印象的に・魅力的に伝えるためには、一歩踏み込んだ技術が必要です。

 

プレゼンテーションの個別指導をしているなかで、最近よく言うことがあります。

「話し方に、バリエーションを加えてください。モノトーンにならないように」と。

それは、聴き手の集中力を維持する意味があります。

また、話し手の印象に深みを与える意味もあります。

■話に強調・変化を加えるための典型的5パターン

では、具体的にどのようにバリエーションを加えていくのか?

私が普段、意識的にも無意識にも使い分けていることをシェアしましょう。

・説く
・語る
・ささやく
・吠える
・しゃべる

それぞれ、簡単に説明しましょう。

●説く

これは、淡々の説明する話し方です。
あえて感情は入れず話すことで、理論的なように聞こえます。

NHKの放送大学などイメージしてもらえると、わかりやすいかもしれません。

なぜあえて、淡々と話すのか?
ひとつは、先ほど言ったように、理論的なふうに聞こえるから。

もうひとつは、淡々とした部分があるからこそ、感情込めて話す部分が際立つから。
そこに、コントラストがあるのです。

●語る

感情をこめて、抑揚をつけて話します。
私がイメージするのは、森本レオさんの話し方です。

事実を伝えるというよりも、思いを伝える。

●ささやく

あえて、小さい声で話す。

ささやくには2パターンあります。
・誰かの耳元に向けてささやく
・ひとりごとを呟く

どちらも、聴き手にとっては、むしろ興味がひかれます。

以前にマーケティングに関する書籍かなにかで、読んだ記憶があります。

「大事なことほど、メガホンでがなり立てない。小声でささやく」
瞬間、膝を打ちました。そのとおりだと。

●吠える

大事なことを、大事だと声高に叫ぶのです。
熱血に、松岡修造さんのように。

ささやくとは対極ですが、やはり心を打ちます。

●しゃべる

気を抜いて、思いのままに話す。

堅さはなく、アドリブでやわらかく話す。

いわゆるプレゼンが舞台上だとしたら、しゃべるは楽屋裏の話し方です。

堅い話し方に、この”しゃべる”話し方が加わると、非常に魅力的になります。

典型例は、経営コンサルタント神田昌典さんの文章ですね。

 

私は5つを使い分けていますが、本当は5つも織り交ぜなくても良いです。

3つほど使ってみてはいかがでしょう?

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