from 野村尚義

■映画「英国王のスピーチ」に見る、クライアントとの正しい関わり方

kings-speech「英国王のスピーチ」

吃音の英国王をスピーチ矯正の専門家がサポートするという、史実に基づいたお話です。

 

今回の記事は、映画を見ていない方には、少しわかりにくいかもしれません。

でも、このブログをご覧のあなたですから、興味ある方も多いのでは?

多くが学べる映画です。ご覧になることをおすすめします。

 

なので、あえてあらすじは話しません。ぜひご覧になってみてください。

ここでは私の感想だけを話します。

私が感じたのは「この映画から学べるのは、クライアントとの関わり方だ!」ということです。

 

関わり方とは何か?3つで話しましょう。

・クライアントとの上下の位置関係
・クライアントとの関係の深さ
・クライアントに提供するもの

 

■クライアントとの上下の位置関係

スピーチ矯正をおこなう専門家 ライオネル・ローグは、王族であるジョージ6世に対して「対等であること」を貫きます。

矯正にあたり往診を断り、クライアントであるジョージ6世に自分の診療所に来させる。

自分を「ドクター・ローグとは呼ばせず、ライオネルと呼ぶように」と繰り返す。

またジョージ6世を「バーティ」と親しいニックネームで呼ぶ。相手は王族ですよ?!

 

クライアントであるジョージ6世が拒んでもお構いなし。

それを彼は「信頼と対等な関係なしに、良い結果は生まれない」からだと言います。

この言葉は非常に重いものです。

 

専門家に求められるのは結果であり、クライアントをちやほやすることではない。

へりくだることが結果にマイナス影響を与えることがわかっているならば、歯を食いしばってもそこに抗う。

プロの姿勢ではないでしょうか。

 

■クライアントとの関係の深さ

ジョージ6世の心の部分に大きな原因があると見たライオネルは、ぐいぐいと深入りしていきます。

痛い傷口に塩を塗り込むように。躊躇なく。

そしていつしかふたりは友人という間柄になっていきます。

 

■クライアントに提供するもの

物語の核心に触れるので、あまり詳しくは述べられませんが…。

ライオネルはジョージ6世に「自信と覚悟」を持たせるのです。

 

本来、兄が引き継いだはずの王権を、ごたごたのうちに即位せざるを得なかったジョージ6世。

彼にとって自分は一介の海軍士官でしかなく、王としての自分を受け入れられない。 

そんななか映画後半、ジョージ6世がこう叫ぶシーンがあります。

Because I have a right to be heard. I have a voice! 
~私が王として語るからだ!~

 この言葉を引き出したのは、ライオネル。

自信と覚悟の両方がそろったからこそ、出てきたセリフです。

 ライオネルがジョージ6世をここまでエスコートしたのです。

 

ここに私は感銘を受けました。

「自信と覚悟」私が自分の仕事を通じて、提供していきたいものそのものです。

それが実現していくプロセスは、感動ものでした。

 

3つの要素は、スピーチ矯正に関わらず、コンサルタント業に共通するものでしょう。

それどころか、多くの仕事に相通ずる部分だと思います。

ぜひ、こんな視点からご覧になってみてください。

戦略的プレゼンテーションメールマガジン プレゼン勉強会prazy