ある研修担当者さんから、嬉しい報告を受けました。
「昨年にプレゼンテーション研修を受けた受講者の上司から、報告をもらいました。研修受講後に、その部下の話し方・プレゼンがうまくなっていて、本当に見違えたとのことです。ありがとうございます」
とても嬉しい言葉です。
講師冥利に尽きるというものです。
でも、こうした声をいただくときの私の返事は決まっています。
「お役にたてて、嬉しいです。でも、99%はその方の努力です」
研修は、気付きのきっかけでしかない。ご本人の努力のほうが、私の指導の99倍意味があります。
企業研修とは触媒である
昔、理科でこんな実験をしませんでしたか?
過酸化水素水に、二酸化マンガンを混ぜると、水と酸素ができる。
化学式で書くと「2H2O2 → 2H2O+O2」
この化学変化において、二酸化マンガンは特に化学式に影響していないのです。
単に、過酸化水素水がひとりでに水と酸素に別れるのをサポートしただけ。きっかけにすぎません。
ここでの二酸化マンガンのようなものを触媒というそうです。
wikiで調べると、こう載っています。
触媒(しょくばい)とは、特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう
私は、研修とはこの触媒のような役割だと感じています。
上の受講者さんは、きっと私の研修を受講しなかったとしても、いつかはスキルを高めて、周りから認められる存在だったと思います。
ただ、研修の受講によりそのタイミングが早まっただけ。
気付きのきっかけになり、フォーカスが定められること。そして、効率の良い努力の仕方がわかること。
その2点は研修で成したこと。
しかし、その後の努力を続けたのは、受講者さん自身。
まさに研修は、ターニングポイントを生み出す触媒だったのです。
受講者の伸びシロと可能性に期待する
私自身、多くのセミナーで自己研鑽を続けています。そこで私がセミナーに求めるのも、この触媒としての効果です。
自分の成長の責任は自分で取る。
セミナーが自分を変えてくれるなんて、期待していない。
僕が期待しているのは、自分の可能性なんだ。
そして、当社に研修や個人コンサルティングを依頼されるお客様も、同様の思いだと感じます。
自分や、自社の社員の伸びシロと可能性に期待しておられる。とても素敵なことです。